University College Dublin Michael Smurfit Graduate Business SchoolにおけるMBAの日々とその後
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前職ではポイントカードに関連するシステムに携わっていた。ポイントシステムについては板倉さんがさんざん書いているので、自分で書く事も無いと思うのだけれども、冬休みに入って時間が余っているのと、アウトプットの為のトレーニングとして以下に自分の考えを書いてみる。 ----- 運営者、利用者それぞれの視点からポイントカードシステムについて考えてみる。 運営者側から見た場合のポイントカードシステムは、マーケティングもしくは販売促進ツールと見る事が出来る。一般的に、ポイントカードを発行する際、運営者は一定の個人情報(氏名,性別,住所etc)を取得する。これらの情報と利用者の購買行動を結びつける事により、運営者は非常に精度の細かい購買行動が分析できる。原理的には「2008年12月1日にロクシタンにてハンドクリームを買った30代前半女性」、「直近半年の間に無印良品で5万円以上買い物をしたダブリン ブラックロック地域の50代男性」などといった条件で特定の顧客を抽出し、この対象となる顧客に対してのみにフォーカスした販促を行う事が可能だ。こういった分析→販促がどの程度有効なのかイマイチ疑問だったりするのだが、それなりに有効だと思われる。また、こういった効率的な顧客の絞り込みが出来る事により、マーケティングコスト削減に繋がるかもしれない。但しビックカメラなどをイメージすると分かりやすいと思うが、現実的にはこういった分析を行うには膨大なレシートデータを扱わなくてはいけないので、詳細な顧客行動の分析を行うためには、かなりのシステム的な工夫が必要だが。 また、ポイントシステムは、一定のポイントと金券と交換が可能なものも多い。具体例として、100円で1ポイントつき、1000ポイントで1000円還元するシステムを考える。この場合、運営者は顧客から売上げの1%をプールしておき、将来の金券還元に備える事となる。ここでのポイントは2点。 板倉さんの所でさんざん書かれている通り、このプールした額は将来金券として顧客に還元されるので、これは顧客が運営者に対して無利子でお金を貸した事を意味する。ざっくりとインフレ率が10%(!)という世界を考えると、顧客が1年で貯めた1000ポイント(=1000円)は、1年前の約910円相当の価値しかない。この差額が運営側の懐に入ったと言える。 次のポイントは、運営者が展開する施設において、すべての顧客がポイントカードを利用する訳では無いという事だろう。この場合、ポイントカードを利用しない顧客は、売上げの1%分の金額を無条件で損している事にある。もちろん、この分は運営者が得をする。具体的な数字は分からないが、すべての顧客がポイントカードを利用する訳では無いので、この部分の収入というのは意外に多いのかも知れない。さらにたとえ話の2乗になるが、この利用されないポイント分の収入および顧客から無利子で預かっている現金の運用益にて、ポイントカード運営費用(システム運用費を含む)が賄えた場合、運営者側は実質的に殆ど手元費用を使わずにポイントカードの運営が可能となる。 一方、ポイントカードの利用者から見た場合、ポイントカードの利点はイマイチよく分からない。価値と価格の交換という視点からすると、顧客が支払う価格は、顧客は自らの"個人情報+購買履歴"と売上げの1%を運営者に無利子で預金する事になる。よって、運営者側の所でも書いたとおり、1000ポイントを金券に変えたとしても、その時点で少なくとも金利分の経済価値を損失している。一方、この価格を支払った結果として顧客が得る価値となると、ポイントカードを持つことによる便益となる。具体的には、DM、メルマガ、各種クーポンとなる。自分自身がそれほど買い物好きではない事もあるが、この条件では価値と価格が見合っているとはちょっと言いにくい。クーポンだと極たまに使うことがあるかも知れないが、メルマガとかDMは殆ど見ないで捨てる事が多いと思う。ただ、世の中にはメルマガ大好きという人もいるようなので、このあたりの価値判断は人それぞれではある。結果的に利用者はカード使用or不使用に関わらず、買い物額の1%を徴収されている事になるので、これは買い物に対してある種の税金がかかっているともいえる。 以上の事から、ポイントカードシステムを運用する側は多くの利点があるが、利用者にとって本当に利益のある物かどうかという点については懐疑的な意見を持っている。極端な話、ポイントカード運営費用分を素直に値下げした方が顧客にとって価値があるんじゃね?と思う事もあるが、さすがにこれはちょっとナイーブな見方かな。最終的には顧客にとってポイントカードを持つ価値が大きければ、ポイントカードは発展していくのだろうけれど、自分自身としては価値向上の余地はそれほど大きくはないんじゃないかという気がしている。 ▲
by trunk526
| 2008-12-21 13:30
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